卓 話 『 世界・日本の航空業界の現状と今後の見通し 』
元桜美林大学 教授 丹治 隆様
所属 : 東京北ロータリークラブ(2020.07~)
職歴 : 桜美林大学教授 エアラインビジネス担当(2020.3まで11年間)
日本航空 技術系(1974年入社)、経営企画戦略調査業務担当 (33.7年間)
最終学歴 : 米国シカゴ大学MBA
【本講演の狙い】
・COVID19(コロナ)の世界・日本の航空業界・市場へのインパクトを理解する。
・COVID下の政府の支援策、航空会社の対応について理解する
・航空会社のサバイバル戦略について理解する
・今後の航空業界・市場の見通し
「本日のフライトプラン」
1 コロナ後の世界の航空業界の現状
・需要一時蒸発、「天国から地獄」
・業界大幅赤字転落
・国内線、需要回復に向かう動き ただし日本は遅れ気味
・国際線の需要回復遅れ 特にアジア大洋州の回復遅れ顕著
・貨物需要好調
・米国社、中国、欧州LCC回復早い。 国際線主体航空会社低迷
・日本の国際線旅客ほぼ消滅
・日本の国内線航空旅客 半分以下
2 世界各国政府支援策、本邦航空会社の対応
・巨額の財政支援 (給与支援、融資、出資、空港使用料減免)
・大型機材退役
・コスト削減など(社員一時帰休、グループ外出向、賞与削減、採用中止) ・大規模資金調達
3 航空会社のサバイバル戦略(例:JAL中期計画)
・JAL/ANA決算 2年連続大幅赤字
・2022年度予測 JALが強気 実現性は
・JAL中期計画(2021-2025)の内容
・授業規模縮小 241機(2019) ⇒ 229機(2025)
・新機材(A350)導入推進
・FSC(フルサービスキャリア)は規模拡大せず(ビジネス需要回復遅れ)
・LCC(ローコストキャリア)は規模拡大(観光需要増える)
・航空以外の収入を増やし、リスク分散を図る
・新JALマイル構想
・エアモビリティ事業(ドローン、エアタクシー)(未知数)
・アバター、メタバース(ANA)
・世界のFSCとLCCの戦い、どうなる (注目ポイント)
4 今後の見通し
・国境オープンの動き
・世界全体の需要回復見通し 2024年に2019年並みへ
内訳 国内線2023年 国際線は2025年
・アジア大洋州全体は2025年に遅れる
・生き残る航空会社は FSC? LCC? 貨物?
・ニューノーマル?
・高額レジャークラス?
・FSC片道運賃?
・非航空収入拡大(リスク分散)
5 日本の課題
・厳しい鎖国政策
・水際対策緩和へ 1日あたり入国者1万人⇒2万人 小規模!!
・2019年並みの航空旅客数1億人になるためには1日当たり「13.7万人」必要
・入国手続き煩雑(紙ベース)
・急激な円安 〇インバウンド Xアウトバウンド X航空会社
・X中国人訪日(中国ゼロコロナ政策) 中国+香港は訪日旅客数の37%(2019年)のシェア
・X台湾人訪日 台湾は訪日旅客数の15%(2019年)のシェア
・原油価格高騰 高額のサーチャージ徴収で需要抑制 航空会社支出
・JAL/ANAは引き続き厳しい状況が続く可能性(文責:丹治 隆)
高林会員 復活
療養されていた高林会員が本日より復帰されました。
本当は寝ていないといけないらしいのですが、懸命なリハビリをして出席されました。
努力の漢です。