◆4月6日(火) 朝例会 卓話 真和総合法律事務所 弁護士 鈴江辰男会員 ≪グランドプリンスホテル高輪 桜花≫
賢い弁護士の依頼方法
本日の卓話は鈴江辰男会員による、賢い弁護士の依頼方法について。
卓話の流れは以下の通り
1 目的
弁護士業務の概要を紹介し、弁護士に依頼する場合の心得をお伝えする。
2 弁護士業務とは
事件に関する争いを解決するのが主たる業務。
医師の治療になぞらえて説明されることが多く、仕事の内容は似た部分もあるが、一つの利害を巡る争いであり、双方が完全に満足することがない。
最終的な結論を出すのは裁判所であって、弁護士ではない。
3 弁護士業務の特徴と弁護士の能力について
(1) 弁護士は真実を知らない。
事件は、事実を解明することから始まる。依頼人が事実を全て理解していることは少なく、嘘をついていない場合も、誤信、誤解、期待などにより双方の言い分が違うことが通常である。→弁護士は証拠を調査し事実を判断するが、経験・能力に差が出る。
(2) 弁護士はすべての法律を知っている訳ではない。
弁護士が精通している法律は、基本法と訴訟法だけである。特別法や行政法、業界関係法などは知らない場合が多い。→弁護士は、依頼事件に応じて必要な法規及び裁判例を調査するが、経験・能力に差が出る。
(3) 弁護士にも専門や得意分野がある。
国際、知財、行政、税務、倒産、労働、交通、刑事などは専門化が進んでいる。
一般の弁護士が取扱えない場合もある。
(4) 弁護士の資格
弁護士は、税理士、弁理士、司法書士などの資格があるが、実際には自分で
行えないことが多い。
4 弁護士の報酬
基本は、事件の経済的利益による。着手金と報酬
着手金は事件の金額を基準として3~5%
報酬は得られた結果の経済的利益を基準として6~10%
大規模専門事務所では、時間単価と処理時間を乗じた時間制も多い。
5 依頼の心得
事実関係をよく説明し、必要な資料をすべて提供する。
不利と思っても事実や証拠を隠さない。
事件の解決方針や希望をできる限り伝える。途中で方針が合わなくなれば、すみやかに申し出る。但し、弁護士を交代することは有利にならないことが多い。
結果に過剰な期待はせず、また納得できない譲歩はしない。
弁護士報酬をキチンと支払う。